孤独の散文

孤独の散文

フィクション

いるものだけ欲しい、いらないものはいらない

消費者はわがままだ。 いや、いいかえれば、 わがままなのが当たり前か。 だとすると、みんなわがままだ。 いるものだけがほしい。 しかも、めんどうな手続き無しで。 お手軽に。 その一方で、 いらないものはいらない。 見たくない、 聞きたくもない、 その…

鎌田とカメ

鎌田(仮名)は港湾労働者だ。 先日定年を迎え、 40年つとめた港湾荷役会社を退職した。 その後、再雇用された。 鎌田は職場に毎日、 原付で出勤する。 出勤時間は朝6時。 そもそも肉体労働のしごと、 それも港湾だから、 朝が早い。 しかしそれにしても、 …